今回は大きい虫歯の治療後に不幸にも神経が失活してしまった歯の根管治療の予後です。

まずは最初のレントゲン写真です。

右上の真上から２番目の歯です。

真ん中側にレジンにて虫歯の治療がなされています。

この深さが神経に近かったために、治療後数年経過ごに失活したものと考えられます。

ご相談の結果、ルールを守った方法にて根管治療をさせて頂きました。

根管内の神経は溶解して原型を留めていませんでした。

ラバーダム下で根管内を拡大し、薬液を使用して徹底的に洗浄します。

（もちろん、マイクロスコープにて確認しながらです）

幸い、膿が湧き出てくるような状態ではなく少ない治療回数で最終的な薬を充填する事ができました。

根管充填直後のレントゲン写真です。

その後レジンを充填して経過観察をさせて頂きました。

前歯は差し歯にしてもしなくても、その優位差はないと言われています。

術後８ヶ月の状態です。

根の先の黒く透けていた部分がだいぶ骨へと治癒してきてくれています。

引き続き経過を確認させて頂けたらと思います。

この状態は根管内の感染源を取り除いただけで、歯を丈夫にしているわけではありません。

その為、この歯の使用は十分に気をつけて頂きたいのと、再度虫歯になると再感染が起きてしまいますので、日々の掃除を引き続き頑張って頂けたら、この歯は喜びます。

セルフケアのとても上手な患者さんなので再感染はあまり心配しておりませんが、習癖（くいしばり・歯軋り等）にはお気をつけ下さい。

今回も長い時間お疲れ様でした。