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顕微鏡があって良かったと思うこと
新型コロナウィルス感染症の猛威が少し和らいではいますが
油断大敵です。
今まで通り、これからも感染症対策をしっかり行って診療してまいります。
(換気のため窓を開けておりますので、これからの季節は寒くなります。ご理解のほど宜しくお願い致します)
今回は左下の奥歯の根の治療です。
まずは術前のレントゲン写真です。
奥から2番目の歯の前歯側の根の周りに膿がたまり黒く透けて写っています。
頬側の歯肉にもニキビのような膿の出口が出来ていました。
治療方針を御相談させて頂き、ルールを守った方法で行わせて頂きました。
冠を外して中を確認していきます。
発見されていない根管がありそうな気配があります。
根管内に充填されているガッタパーチャを除去しながら、取り残されている部分がないかを探っていきます。
大体こんな感じで出てきます。
この前歯側の根には真ん中に3根管目が存在することが多々あります。
先が0.1ミリの器具が刺さっていく箇所がありました。
しかも根の中腹あたりから入っていく感じです。
先ほどの部分を機械を使用して必要な長さと太さに拡大形成していきます。
その後、化学的な洗浄を徹底的に行います。
根管からの排膿もなく、歯肉にあった膿の出口も消失していたので最終的な薬を充填させて頂きました。
根管充填直後のレントゲン写真です。
そこから4ヶ月後の予後のレントゲン写真です。
黒く透けていた部分がだいぶ骨へと治癒してきてくれているのが確認できます。
このままもう暫く(3〜4ヶ月)仮歯で経過観察です。
今回のケース、根の中腹から3根管目が現れ、それを発見できたことに対して顕微鏡の有難さを再確認できました。
これを肉眼で見つけるのは至難の技だと思います。
根管治療は繊細で慎重な操作が求められます。
また、何度も行える治療では有りません。
早い段階でルールを守った方法で治療を受けることをお勧めいたします。
今回も長い時間お疲れ様でした。
これからも定期的に確認させて頂けたらと思います。